妻の不安を取り除き,双方の希望を取り入れる形で離婚が成立した事案
<事案>
相談者は職場結婚した妻と当初円満に生活していましたが,それぞれ転職で職場が遠くなったことから生活がすれ違いになっていき,関係が疎遠になっていきました。
そこで,相談者は妻の希望も取り入れ,妻の職場に近い場所に不動産を購入して転居し,関係の修復をはかる時間を設けるよう試みましたが,2人の休日が重なる日も妻は職場の男性と2人で出かけたり,長期休暇も1人で海外に行ってしまったりするなど,関係が改善することはありませんでした。
そのような状態が続いたことから,相談者も関係修復を諦めざるを得なくなり,また,転勤も重なったことから,ひとまず別々に生活することを決めました。
別居している間,相談者と妻との間には特段の交流はなく,婚姻関係の実体がなくなったことから,別居から2年ほど経過した頃,相談者から妻に離婚を切り出したところ,これまで相談者に無関心を貫いてきた妻が突然相談者の職場に押しかけたり,昼夜を問わず連絡したりしてくるようになりました。
相談者はそのような妻の行動に困惑し,代理人を立てて話を進めざるを得ないと考え,相談に至りました。
<解決>
まず,妻には直接相談者に連絡したり,職場や家に近づいたりしないよう申し入れをし,これを守ってもらうようにしました。
しかし,具体的に離婚の協議を始めようとすると,妻からは何の応答もなくなってしまいました。何度か書面を送ったり電話を掛けたりしましたが反応がなかったため,このまま協議ができないようであれば調停を申し立てる旨の連絡を最後にしたところ,妻も代理人を立て,その代理人から離婚に向けての協議に応じる旨の連絡がありました。
その後の離婚協議の中で,相談者が離婚を切り出した際,妻が相談者に交際相手がいると思い込んだことからつきまといを始めたことや,離婚をしたら自宅を手放さなくてはならないのではないかと不安に駆られて頑なに離婚協議に応じなかったことが明らかになりました。
そのため,妻の誤解を解くよう説明を尽くし,妻の代理人からも今後の見通しをよく説明したところ,妻も納得がいき,不動産を妻が取得する形で財産分与をして離婚を成立させることができました。
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