<事案>
相談者は,価値観の不一致が原因で,同居開始後わずか数か月で妻と子どもが出ていくかたちで,妻と別居状態になりました。
妻との同居中,相談者の給与振込口座は妻が管理していましたが,別居の際に妻が通帳とカードを持ち出してしまい,相談者は,別居後も毎月の給与のうちほんの数万円を妻から送ってもらうという状態が続き,当然それだけでは足りないため,親族の助けを借りながら何とか生活をしている状態でした。
何度か妻へは離婚するか同居するかの話し合いを持ちかけましたが,はっきりとしないまま,およそ10年もの期間が経過していました。
このままの生活を続けていくことは難しいと考えた相談者は離婚を決意し,当事務所にご相談くださいました。

<解決>
我々は,さっそく妻へコンタクトを取り,妻がおよそ10年もの間,過大な婚姻費用を受け取っていたことを指摘したうえ,その返還は求めないことと,依頼者から妻に適正な額の養育費を支払うことを約束するので,離婚に応じてもらいたいという意向を伝えました。
その際には,ほんの数か月の同居期間に比して10年に渡る別居状態にあることから,仮に妻が離婚を拒否した場合でも,裁判上の判決による離婚ができる可能性が高いこと,したがって,現時点での話し合いに応じる方が妻にとってもメリットが高いことを,よく説明しました。
すると,妻から,離婚に応じますという回答があったため,妻との間で,さっそく離婚協議書の内容を詰めました。
ところが,離婚協議書の具体的な内容が決まってきた段階で,妻は,突然,一切連絡が取れない状態になってしまいました。
それでも,我々は落ち着いて,速やかに離婚調停の申立てを行うと,裁判所からの呼出状を受け取った妻からすぐに連絡があり,話し合いを無事に継続することができました。
その後,我々は離婚調停は取り下げ,依頼者の納得のいくかたちで,速やかに離婚を成立させることができました。

投稿者: ガーディアン法律事務所