離婚を拒否する妻との粘り強い交渉により,有責配偶者からの離婚請求を実現した事案
<事案>
結婚まもなく子どもが生まれたものの,その後家庭内に不和が生じ,家庭内別居状態となったため,夫から離婚を切り出したものの妻は「離婚したくない」の一点張りで話し合いになりませんでした。冷え切った家庭に耐えかねた夫は別の女性との交際を始め,家を出て交際相手と同棲を始めましたが,妻の意思は変わりませんでした。
<解決>
離婚に関し争いがあったものの,関係が悪化してから数年経っており,妻も関係修復を希望しているわけではないと伺えたので,まずは妻に連絡して離婚を拒否する本当の理由を把握するところから始めました。
何度か電話でお話ししたところ,妻も離婚はやむを得ないと思いながら,離婚後の生活がどうなるかわからないという不安を抱いているため,離婚を拒否していたことがわかりました。不安な点を更にヒアリングしていったところ,離婚すると自宅を出なければならず,お子様の生活環境が変わってしまうというご不安が一番大きいことがわかりました。
これを受けて,妻に提示する離婚条件について夫と協議しました。
本来は有責配偶者からの請求ということで,実務上お子様の年齢的にあと十数年は離婚が難しいこと,住宅はオーバーローンのため売却できたとしてもローンだけが残るなどの事情に鑑み,妻が住宅ローンや管理費・修繕積立金の一部を負担しながら住宅を維持するということであれば妻とお子様が自宅に住み続けても良いという提案をし,その他の諸条件と合わせて妻と粘り強く条件交渉をした結果,最終的に妻の希望を汲みつつ夫からの提案に沿う形で協議離婚が成立しました。
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