<事案>

相談者は30代半ばの女性です。夫とは数年の同棲を経て、30歳になる前に結婚しました。
共働きで自宅も購入し、2人で生活していましたが、結婚後夫はフルタイム勤務で家事も一手に担っていた自分の実母を何かと引き合いに出し、相談者に仕事と家事の両立を求め、相談者の態度が自分の意に沿わないと、平日の夜中でも相談者が「わかりました」と言うまで説教し続けるようになりました。
相談者は話合いを試みましたが、夫が全く聞き耳を持たないため、次第に反論することもやめるようになりました。
1番身近な関係である夫との関係が言いたいことも言えない関係であることに相談者は段々とストレスを抱えるようになり、心療内科を受診するに至りました。しかし、夫は全く意に介さず、原因が歪な夫婦関係にあるということの自覚もうかがえなかったため、相談者は夫との婚姻関係を続けていくことに限界を感じるようになりました。

そこで、相談者は離婚を真剣に考え始め、職場の先輩で離婚経験者の男性に離婚の相談をしてみることにしました。先輩は親身になって相談に乗ってくれ、時々業務終了後に食事をしたり飲みに行ったりしてアドバイスをくれました。
相談者が離婚の決意を固めて夫に切り出したところ、夫は最初離婚の理由がないとして離婚を拒否していましたが、相談者が繰り返し離婚を求めると、そこまで離婚したいのであれば離婚には応じるが、離婚したいのは交際相手がいるからと認めるよう相談者に迫りました。
夫はここ数ヶ月相談者の帰りがいつもより遅くなることを不審に思っており、その相手が夫婦共通の知り合いの男性ではないかと疑っているようでした。相談者は誤解を解こうと努力しましたが、夫が既にその知人男性に連絡をしたり、相談者の親族に相談という形であることないことを話していることもわかりました。
事態の収拾がつかなくなり、当事者同士の話合いが困難と感じたことから、相談者は弁護士に相談し、今後は代理人を通して離婚の話合いをすることになりました。

 

 

 <解決>
まずは弁護士から夫に書面で連絡し、今回は夫婦の問題であり、無関係の第三者を巻き込まないよう求めました。
離婚に向けた話合いを始めましたが、夫は相談者が離婚を希望するのは不貞相手がいるためと疑っており、相手が誰であれ、相談者がそのことを認めない限りは絶対に離婚しないの一点張りでした。
しかし、夫の主張には根拠がなかったのですが、これまで自分が強く言えば相談者が要求を飲んできた経緯があるため、ごねるだけごねようとしているようでした。
もっとも、代理人が入ったところ、夫から無関係の知人や親族への連絡はなくなり、他人の目があるところでは多少体面を気にするタイプであることがわかったため、事件解決のため、より人の目があるところである調停に話合いの場を移すことになりました。
すると、夫も弁護士に依頼し、これまでの事実に基づかない一方的な主張を止めたため、細々としたことを取り決め、2回で離婚調停が成立しました。

投稿者: ガーディアン法律事務所